短歌2014

2014 短歌

ねむれぬと言い倒してた子の寝顔
薄灯り消す前にちと見る1/2

時の塊が音をたてて積まれ
しかしだれにも遠いできごと

太陽を僕はまだ見たことが無い
本当に在るの?君は見たのか?

移動する
全ての位置を確かめに
一筆書きは神を貫く

テーブルの表に全て乗っている
足以外何も喋らない部屋

感情と感情がある日出会って
物質同志が電気?と聞いた1/5

活けらるるダリアの黒を嗅ぎとりし窓の結露を集め隠せり1/6

ゲンというただの漫画の閲覧が制限される国を漫画に1/9

寝る前に蛍光灯がじいという音を聞いてる
音が聴いてる?1/12

皿に出た砂糖醤油を使い切る量を焼いても減らぬ餅かな1/15

不規則にりんごがポロリ落ち床に着く前少しニヤリと見えた

押しのける。
書き混ぜ、穴を開ける。
その時、向こうからまた来た。
空気。1/16

価値の意味を変えると言って二十年まずはようやく意味が分かった

ごく一部敏感な奴にバレるからバレない様に書いたのがこれ1/18

眠るのだ今日のためにと横たわる
あすなんてのも未来に過ぎる1/21

駐車場となりの車の下に居た猫はもうすぐこの下に来る

納豆とカレーとご飯あるけれど納豆カレーを試す気はなし
テンションをあげさげしては遥かなる
にくき普通の大人になりたし1/23

シリアスな事が沢山ある。
人は、その上にしか築く事はない。

不真面目で真面目を包みこまないと真面目が納得してくれなくて

いつの間にか大規模な爆発でない小さい何かを壊そうとしてる1/25

きいたあといきるちからの湧く歌を歌える自分であるのかどうか1/28

摘んでただ水だけやっている三つ葉なかなか枯れず名前をつける1/31

きらいでもすきでもなくてここにある
でも捨てられず
それがきらいで2/1

未来には何があるのと聞かれれば聴かすつもりのブルースを描く

年老いた父の様子を見に行ってヤケクソを言う背中に湿布

いつの日の誰かのウソの事情などほほえましくて
目を閉じてよむ2/2

アイパーの説明するのに仏さん例などにしてごめんなさい南無2/3

大切な事だけ拾い一本の道だけ通り花を届けに2/5

平常心平常心と目薬の如FBを閉じて呟く2/6

人生に確かなものは何もないそれを知りつつ知ることを知る

もし君に子供がいてもいなくても小さかった君が今生きてる

いつの日か
僕はあなたが死んだ時きっと
黙って座っています

いくさばを心の隅に用意して誰も入れずに喚気するだけ

まだ諦めず賛同を得ようとする卑劣な自分を二度と許さじ

気づかない誠実さもあることをいま知りつ手渡す大盛りの飯

美しい夜は誰かを追いかける行けばいいさと消す常夜灯

無恥厚顔狂暴不敵すばらしいだから若さはすばらしいのか

すでにもう届けたい君は君でなく恋は歌えぬとしとなりにき

さざなみの力をかりて灯りとるごとくノンビリ変態しよう

ヤンバルを故郷と歌うアルバムを月をあおいで聴く帰り道

さみしさをおもてにだせる友達の友の多さを羨みつ聞く

不埒なる人が不埒な世の中で真面目が勝つと言って育てる

音の影音とは違う方角に歩き始めるきっかけの音

おそらくはスティービーの首振るときのあの間隔がちょうどそれだな

真面目さと勤勉さとを携えて命ちぢめつ怒らぬ美学

伏見酒みなもをやたびたたく鵜もあおる十石舟も涼しき

わけもなく出逢えし人を懐かしみ踊る思いを打ち明けしかな

頑なは幼き頃の悲しみの罪を誰にも着せぬ優しさ

生きているだけで隠喩になるために出来ることはと否を否とす

おばちゃんの軽に抜かされ笑ってるそんな自分がいつしか好きに

しあわせはほっときゃいいが遠い地の悲しみ知ったおとの沈黙

美に惹かれ 美を壊す美に身を置いて酸化以上の意味を持つ生

切なさを人に思ひし昔ならこれほど時の過ぎゆくままに

これ以上あなたが変わらないことを理解するまで悲しむ死かな

その後に何が残るか
大切なものだけ残れと
祈る気もなし

くすみがかり三四重に彩む桜の葉

支柱となりて木枯らしに揺る

30センチ絶滅危惧種を撮るような望遠レンズの父を観るなり

我思ウ貧乏くじを引かずして何を言わんや故に我アリ

山谷は事実を詩うことでしか潤わざりとせせらぎふくむ

上靴を洗いおりふと母のいう魚腥の摘むを拒めしを悔ひ

人に傷つき人にまた癒されるこれほど深く人を知ること

目にみえぬあいとちりとにはんのうしくるしめどなおそらをみる午後(午後のPM)

なにもないことの凄さをなにもない説明会で話さず帰る

人生は
サーフィンのごと波中を抜けて行くのだしたことないけど
あの人もあのばあさんもじいさんもその母の子よじじい愛しや

人の死は家族と近しい者だけでそっと泣かせてあげてとおもう

幸せを論ずことなくひたすらにカタチにせよと白ヤギの文

雨の日を充す静かに一滴のミルクを落とすごとくにふくむ

啄木の友の短歌を思いつつ雨垂れを縫い弦を爪弾く

いつかまた擦りむき傷を作るからメロンパンの皮残しておこう

悲しみの敷布団と幸せの掛け布団に滑り込むクリスマス