いまは船の中、海のうえ。(9日の23時丁度。)

二日目のラウンジショーを終えた今、
船は仙台から、苫小牧までの外洋を進んでいるので、
既に携帯などのアンテナも届かずにいるが
思いが溢れて居る自分を忘れないように、書き残そう。

太平洋フェリーのラウンジショーは、船の中に百人くらい座れるホールがあって、
そこでその日一番の催し物として開催される物で、

僕は乗り始めてかれこれ10年以上になるが、これまでは奥さんが歌う相方の音響件コーラス件ギター件コントラバス件ピアニカ件MC担当で、乗船させてもらっていたのが、
二年前ほどに義母を無くしてからは、子供を一緒に乗せることができないし、四日間置いて出かけるわけにもいかずで、奥さんと一緒に乗る機会が無くなり、サポート役は船の大先輩、岩永さんにお任せして、僕は殆ど乗ることが無くなっていた。

太平洋フェリーでの演奏は、普段と全く違う。
JAZZは一割多くて二割、他は歌謡曲、ラテン、ポップスなどで、船で世界を旅してもらおーという趣旨に基づいて、
東北のお母さんお父さん、おじいさんおばあさんが聴いても楽しんでもらえるような選曲を心がけて(そういう依頼があったような気がするが、勝手にこちらで決めただけだったかもしれない。十年以上前のことで忘れてしまった)演奏してきている。

今回珍しく僕が乗っているのはわけがあるのだけど、ややこしいので省略して、二年ぶり。

何せ、船の舞台は、初対面の方ばかり、生演奏は普段聴き慣れて居ない方ばかり、そして、まさか、船の中でそんなラウンジショーがあるとも思ってらっしゃらない方ばかりなのを嫌というほど僕もわかっていて、その中でお客さんに笑顔で帰ってもらわないと、気が済まなくなっている。そうなると経験上どうしても誰かが歌うことが必須になってしまうのだった。

それと、僕は十年来の意思である、フォークを来年からやりたいと思っているので、今回の船は、僕は沢山の曲を歌うことに決めた。
この時期はよく喉から調子崩すので、大阪が寒くなり始めた2週間前から、普段外出時は勿論、家でも、寝る時もマスクをして、絶対風邪をひかない様にこころがけた。

その甲斐あって、喉の調子はバッチリ。
6弦ベースを弾いて合間に歌う曲も、ピアニカを吹いて合間に歌う曲もあるが
完全にスタンドマイクで歌う曲もある。

そんな中、今日は、どうしても書いときたいことがありました。

それは今日二日目の、アンコールの曲を歌っていた最中のことでした。

曲は、大好きなビギンの、『島んちゅぬ宝』。
今日は昨日も聴きに来てくれている、昼間も話したけど二日間いい感じに酔っ払い続けている熊本からのおじさんが、二日連続で一番前を陣取って居て、その方をいじったり、逆に助けて貰いながら、
ライトの逆光でなかなか表情がわかりにくい中、他にも沢山の方が僕の話を、そこここで笑いながらとてもいい感じに聴いてくださってるのを、微かに見える表情や声から、そして肌でも感じて居りました。

僕はそれだけでもうれしく、加えて今日は、昨日よりも一層リラックスしながら話せてる実感があるし、音程もコントロール出来つつ余裕を感じながら、本当に楽しんで歌って居たら、

なんと、客席の何処かに座っているはずの、中学生だか高校生だか、若い女性達の数人が、僕の歌っている島んちゅのサビの、合いの手の『エイヤーサーサッ!』を大声で歌い始めてくれているではないですか。
一瞬何が起こったのかわからなかったんですが、すぐにお客様たちが、一体感をもって、楽しんで応えてくれて居るんだ、なんてことだ!と理解を通り越して脳みそに直撃、心の中で(惚れてまうやろ!と)叫びつつ、間違えないように必死で歌い切り、下関に引き続きまたもや、言葉以上の有難うをお客様に伝えるつもりで御礼を言い、ステージをおりました。

ステージを降りるとすぐに舞台裏から出口に回って、ラウンジを出られるお客様に御礼を言いながらお別れの挨拶をするのが慣例なのですが、

今日はいいステージの何時もの時のように、沢山の方がお声をかけてくださり、写真を撮ったり、御礼を言ったり、それでも言い切れない自分の気持ちを持て余して、ちょっとぼーっとしながらのお見送りなって居たかもしれません。

自分がフロントに立って、控えめにすることも力を入れすぎることもなく、自分の自然な感覚とサービス精神で、お客様に楽しんでもらえることが出来たこと。

本当に楽しみながら、会話も演奏もコントロールできたこと。

そしてなにより、お客様に、音楽の楽しさを教えてもらったこと。

僕はこんな人間なので、あいつは変だと言われて敬遠されたり、できないことがたくさんあって、上手なミュージシャンにして見れば下手くそで嫌味を言われたり、良かれと思ってする行動や発言で、敬遠されて傷つくことが、今でもありますが、今日の経験はそれを乗り越える力の一つになると思います。

今日のお客様に、ベース弾きという一面で無く、
自分の全方位ステージで楽しんで頂けたことに、感謝と自負を感じました。

新たな一歩でありますように。

その二十一

素晴らしい。

音楽の楽しさを知るお客様に、そして音楽が好きなすべての人に、有難う。

(14/11/10 0:22 仙台から苫小牧間の催事スタッフの個室にて)

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