無くそう子供の貧困 メーリングリストからのピックアップ記事75

◆失業者の就労支援や子どもの学習支援などを通じて困窮世帯を支える生活困窮者自立支援制度が始まったが、支援策として相談窓口を置くだけの自治体が半数近くに上ることが調査で判った。市区、都道府県の計858自治体では、43%が一つも任意事業を実施していなかった。支援態勢の地域格差が早くも表れた形だ。 

◆認知症が疑われる状態で、路上生活などをしていて保護された人が、首都圏を中心に130人近くに上ることが各地の支援団体の調査で分かった。その多くが高齢者で、中には認知症の影響で生活保護の申請などができず路上生活に追い込まれた人もいた。専門家は、早い段階での気付きと支援の必要性を指摘している。

 

◆自民党が、金融機関に預けられてから10年以上出し入れがなく、持ち主が現れない「休眠預金」を福祉や教育事業に役立てる「休眠預金活用法案」を、今国会に提出し、成立を目指す方針であることが分かった。休眠預金は毎年500億~600億円発生しているとされ、法案が成立すれば公益事業の大きな資金源となる。

 

◆宮崎県指定自動車学校協会は、県内の児童養護施設などの子どもが自動車運転免許を取得するのを支援しようと、取得にかかる費用のうち10万円を免除する制度を7月から始める。対象は就職や進学を控える高校3年生など、年間35人程度を見込む。新潟、沖縄両県に次ぐ試みで、就職促進に繋がると期待されている。

 

◆刑務所を仮出所するなどした保護観察対象者に対し、奈良県が、全国で初めて資格や免許の取得への費用助成に乗り出した。対象は県内の事業所で働く保護観察対象者で、事業所経由で上限30万円まで助成する。事業の背景にあるのは、無職の保護観察対象者の高い再犯率。職場定着による再犯の防止が最大の狙いだ。

 

上貞玲賜(広島市安芸区保健福祉課)
◆平成27(2015)年6月11日 産経新聞 東京朝刊

幼少期の性的虐待 立ちはだかる「時効の壁」 法改正で泣き寝入り防げるか

□強制わいせつ罪7年

 

幼少期に性的虐待を受けた被害者の救済のため、時効を見直そうという動きが広がっている。加害者が近親者のケースが多く、性的虐待は被害の訴えが遅れがち。声を上げた時点では「時効の壁」に阻まれることもあり表面化しにくい。「被害を受けたときが時効のスタートというのはあまりにも酷」。被害者の悲痛な叫びが響く。

「今の法律では、多くの被害者が泣き寝入りするだけ。加害者にとってのメリットしかない」

北海道釧路市出身の40代女性はこう訴える。女性は3~8歳まで叔父にあたる男性から性的虐待を受けた。当初は添い寝をするだけだったが、行為は徐々にエスカレート。体を触られ、性行為を強要されるようになった。女性は中学生になって初めて、自らが受けた行為が性的虐待だったと知り「頭を殴られたようなショックを受けた」という。それでも「広まったら大変なことになる。誰にも言えなかった」。女性は6、7歳ごろから視界にもやがかかったようになり、現実感が薄れる「離人症」の症状が出始める。後に鬱病も発症。悪夢にうなされる日々が続き、自殺も考えた。平成23年、30代後半になった女性は東日本大震災を機に「自分の命とも向き合わなければ」と考え、性的虐待被害を医師に相談。心的外傷後ストレス障害(PTSD)との診断を受け、叔父を相手取り、損害賠償請求訴訟を決意した。提訴の数日前、両親に被害を告白した。返ってきたのは「公にするのは身内の恥。お前が黙っていればなかったことになる」との言葉だった。

 

◇「あまりにも酷」

それでも提訴に踏み切った女性だが、立ちはだかったのは「時効の壁」だ。1審・釧路地裁は、不法行為に対して損害賠償を請求できる除斥期間(20年)が経過したとして請求を棄却。2審・札幌高裁は鬱病の発症を新たな被害ととらえ、請求の一部を認めたが、叔父側が上告し、現在、最高裁で係争中だ。「心の傷は時間が解決してくれることもある。でも私の場合、年を重ねるごとに被害意識がふくらんだ。被害を受けたそのときが時効のスタートというのはあまりにも酷だ」

女性の代理人の寺町東子(とうこ)弁護士は「性的虐待被害者は防御反応で自らの記憶を封じ込めがち。心の折り合いがつくのはほんの一握りだ」と指摘する。こうした人々が被害を訴えても損害賠償請求権は消滅、刑事事件としても強制わいせつ罪なら公訴時効(7年)にかかる。被害女性や寺町弁護士らは刑事事件と損害賠償請求訴訟の時効を被害者が成人するまで停止することなどを求め、1万人を目指して署名活動を展開する。

 

◇「法制度の遅れ」

児童虐待件数は増加の一途をたどる。厚生労働省によると、全国の児童相談所が25年度に対応した児童虐待件数は前年度比で10・6%増の7万3802件に上るが、このうち性的虐待は2・1%(1582件)にとどまる。立命館大学の松本克美教授(時効論)は「性的虐待は実態が見えにくく、数字は氷山の一角。その一因は日本の法制度の遅れにある」と分析する。松本教授によると、ドイツやフランスでは、性的虐待の被害者が一定年齢になるまで損害賠償請求権が停止するなどの規定があり、「法的な権利を持つことが精神的な被害回復の一助となる」と話す。

こうした声の高まりを受け、自民党の「女性の権利保護プロジェクトチーム(PT)」は今月、児童虐待防止法の改正に向けた提言をまとめ、性的虐待の時効の起算点を18歳か20歳とする特別規定を新たに設けることを検討することなどを盛り込んだ。PT座長の馳浩衆院議員は「幼少期の性的虐待は、密室で密接な関係にある者が行うことが多く『発覚しない』とたかをくくっている傾向がある。時効停止により、改めて許されない行為だということを示せば、抑止にもつながる」と話している。

 

 

◆平成27(2015)年6月11日 読売新聞 大阪朝刊

児童虐待相談 最多932件 昨年度 暴言など「心理的」1.5倍 =和歌山

 

2014年度に県内の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談件数が、前年度より139件(17・5%)増の932件に上り、過去最多を更新したことがわかった。子どもの前で配偶者に暴力を振るう「面前DV」や暴言を吐くなどの「心理的虐待」に関する相談が約1・5倍に増え、全体を押し上げた。

県が、子ども・女性・障害者相談センター(和歌山市)と紀南児童相談所(田辺市)で受け付けた相談や通報をまとめた。

虐待の種別では、「心理的虐待」が405件(前年度比138件増)、「ネグレクト(育児放棄)」が268件(同35件増)、「身体的虐待」が250件(同28件減)、「性的虐待」が9件(同6件減)の順だった。

年代別では、小学生が323件で最多。3歳~小学生未満が215件、0~3歳未満192件、中学生124件などと続いた。虐待したとされる人は、実母が495件、実父が338件で、合わせて9割を占めた。

一方、通報者の内訳では、近隣・知人や医療機関、学校など家庭外での増加が目立った。県は「児童虐待への意識が高まった表れだろう。地域住民や警察や医療機関などと連携して虐待を早期発見し、未然防止につなげる必要がある」としている。

 

 

◆平成27(2015)年6月11日 北海道新聞 朝刊地方

児童虐待266人 2年連続減 苫小牧14年度 複数回被害は増加

 

苫小牧市は10日、2014年度の児童虐待の相談・通報受理状況を公表した。虐待の被害を受けた児童は13年度比49人減の266人で、2年度連続で減少したものの、複数回にわたって虐待を受けた子供がいるため、延べ人数は同164人増の860人に上った。市は虐待予防を目指す講座を引き続き開くなど、対策を強化することにしている。

市内で同日開かれた市要保護児童対策地域協議会(松村順子会長)の代表者会議で、市が報告した。

延べ人数での内訳は、暴力を振るう身体的虐待が402人で最も多く、食事を与えないなどの養育怠慢・拒否(ネグレクト)が373人、子供の前での夫婦間暴力など心理的虐待が84人、性的虐待が1人だった。被害児童の年齢は、0歳~3歳未満が146人、3歳~未就学児が293人、小学生が245人、中学生が113人などで、市は「被害児童の多くは、自分から助けを求めることが難しい小学生以下が多い」と指摘。虐待者は実母が全体の約62%を占め、次いで実父が約10%となった。

市は14年度から一般市民や虐待をした父母向けに、暴言や暴力によらない子育て技術を学ぶ講座を開講。「今年も継続し、虐待防止と予防を目指す」(こども支援課)と説明した。

一方、室蘭児童相談所は席上、管轄する胆振、日高管内で14年度に認定した虐待の被害児童数の速報値は前年度比21人増の245人で、このうち、苫小牧市は同10人減の100人だったことを明らかにした。室蘭児相が扱う虐待案件のうち、毎年、苫小牧市が半数近くを占めるため、市は道に室蘭児相分室の設置を求め、協議を続けている。道は今月から職員1人を派遣し、本年度内にも設置の可否を判断する方針。市民生委員児童委員協議会長を務める松村会長は「子供のことを1番に考えて現状に合わせた対応をしてほしい」と話していた。

 

 

◆平成27(2015)年6月11日 読売新聞 大阪朝刊

[児童虐待の深部]親の心理(下)「話聞いていれば…」 悔恨(連載)

◎第3部  ◇妻は息子を手に掛け逝った

 

近畿地方の静かな住宅街で、会社員の男性(34)は長女(5)とふたり、ひっそりと暮らしている。1年前までは、妻(当時33歳)と長男(同9歳)との4人家族だった。みんなで生駒山にピクニックに行き、弁当を仲良く食べた。

数日後、妻は自宅で長男を手に掛け、自らの命も絶った。仕事から帰宅した男性が、冷たくなった遺体を発見した。〈迷惑かけてすみません。娘のことをよろしくお願いします〉--。食卓に置かれた便箋に、妻の言葉が遺(のこ)されていた。

妻は何をするにも一生懸命だった。親のネグレクト(育児放棄)のため施設で育ったせいか、特に育児には人一倍、熱心だった。長男が4歳で発達障害と診断されると、専門書を読みあさり、発達障害児の母親のグループに参加。良い療育の教室があると聞いては掛け持ちした。長男は幼稚園でかんしゃくを起こして友達をたたき、脱走することもあった。小学校では授業に集中できず、3年生で特別支援学級に入った。男性は「長男は頑張り屋だから大丈夫」と楽観していた。だが妻は役所の相談窓口をひそかに訪れ、「長男のことを考えると悲しくなる」と打ち明けていた。

「死にたい」。事件の前夜、妻は初めて漏らした。男性は「しょうもないこと言うな」と1時間かけてなだめたが、まさか本気とは思わなかった。翌朝、妻は「大丈夫、大丈夫」と言い、吹っ切れたような笑顔で男性の出勤を見送った。幼稚園の送迎バスに乗ろうとする長女を、異常なほどしっかり抱き締めていた、と聞いたのは事件後のことだ。「もっと話を聞いていれば。覚悟を打ち消すほどのことを言えていれば……」。悔恨は今も、男性の胸から消えない。

子供が道連れにされる無理心中は、親が子供の命を奪うという点で、「究極の児童虐待」とも呼ばれる。厚生労働省の調査では、2012年度に全国で虐待死した子供90人のうち、4割の39人が、心中によるものだった。背景はさまざまだが、親の精神疾患や病気、育児不安があったケースが目立つ。

「『産んだのは私なんだから一緒に死ぬしかない』と思い込んでいた」

長崎市の宮崎弘美さん(47)は17年前、1歳の長男の看病に疲れ、電車に飛び込もうとした経験を振り返る。「この子が病弱なのは自分のせいだ」と思い詰め、産後うつになっていた。夫は「深刻に考えなくてもいいよ」と言ってくれたが、悪化する症状には気づいていなかった。うつを治療後、母親が子育ての悩みを分かち合える場を作ろうと、ネット上で「ママブルーネットワーク」を開設。登録者は今、1万人を超える。宮崎さんは「家族でも心の異常には気がつきにくい。第三者に相談し、介入してもらうことも必要だ」と強調する。

暴力やネグレクトによる虐待が、あざや服装などで発見しうるのに比べ、無理心中を事前に察知するのは容易ではないとされる。国の対策もほとんどないのが現状だ。そんな中、大阪府こころの健康総合センターは12年度から、母子保健に関わる保健師らを対象に、自殺を防ぐ支援について、精神科医らを招いた研修を行っている。同センターは「親と一番近くで接する保健師らが異変に気付き、医師や専門機関に早期につなげることで、自殺や虐待を防げる」と期待する。

親子の無理心中に詳しい「子どもの虹情報研修センター」(横浜市)の川崎二三彦センター長も指摘する。「心中の恐れがある親には、わずかでも兆候があるはずだ。家族だけでなく病院や行政、学校などあらゆる機関が、子供の命を守るという観点を持ち、小さなSOSに敏感にならなければならない」

 

◇無理心中

厚生労働省によると、心中による虐待死の人数は、統計を取り始めた2004年以降の約9年間で、394人(282件)に上っている。12年度に心中で亡くなった子供39人(29件)のうち、加害者が実母1人のケースが6割を占める。背景には「保護者の精神疾患・精神不安」「育児不安」のほか、「経済的困窮」なども挙げられている。死亡した児童の年齢は、心中以外の虐待死では0歳が4割を占めているのに対し、心中は0歳から13歳まで分散している。

 

 

◆平成27(2015)年6月11日 北海道新聞 朝刊地方

函館市、10月めど 育児相談の窓口一元化 産前から切れ目なく支援 フィンランド手本に

 

函館市は、妊娠や出産、子育てなど母親が抱える悩みを一括して受ける相談窓口「マザーズ・サポート・ステーション」を、10月にも市総合保健センター(五稜郭町)に設置する。子育てを切れ目なく支援する北欧・フィンランドの制度「ネウボラ」をお手本にした事業で、道によると道内自治体で同様の取り組みは「聞いたことがない」という。市は母親の育児に対する負担軽減や、市の少子化対策につなげたい考えだ。

ネウボラは、フィンランド語で「アドバイスの場」の意味。出産前後の健康診断や栄養指導、育児支援などを一元的に相談できる制度だ。国内では埼玉県和光市などが、同制度を参考にした子育て支援事業を独自に進めている。

函館市は窓口に助産師ら専門の相談人1人を配置。面談や電話を通じて、妊娠前から子育て期までの幅広い期間、不妊治療や子供の進学、母親の就業支援など幅広く相談に応じる。市は従来も母子保健課を中心に母親から相談を受けていたが、支援内容によって部署が多岐にわたるため、窓口を一元化して利便性を高める。

これに加え、出産前後の女性を主に心の面で支える「産前・産後ケア」も行う。妊婦を対象に面談などを通じて悩み事がないか確認し、出産後も産後うつなどの症状がある人を対象に、1週間ほど医療機関に入院してもらい、助産師の指導のもと心身を整えてもらう。入院費の一部か全額を市が負担する。

市は19日開会の定例市議会に提出する補正予算案に、同ステーション設置費150万円と、産前・産後ケア事業費に231万円を計上した。市子ども未来部の岡崎圭子部長は「育児世帯への切れ目のない支援を通じて、子育てしやすい環境を整えたい。少子化対策にもつなげたい」と話している。

 

*マザーズ・サポート・ステーションが受ける主な相談

妊娠前、妊娠期  出産、産後期   子育て期

産前、産後ケア  産前、産後ケア  入園、入所案内

不妊相談     乳幼児健診    子育てサロン紹介

妊婦健診     予防接種     再就職支援

 

 

「児童相談ニュースメール」(BCC一斉送信)

上貞玲賜(広島市安芸区保健福祉課)
◆平成27(2015)年6月13日 読売新聞 大阪朝刊

児童虐待 再発防止へ検察始動 児相、学校などと連携=香川

 

児童虐待の再発を防ぐため、地検が容疑者を起訴するかどうかを決める際に児童相談所(児相)と協議する取り組みが、病院や保護観察所など、他の関係機関にも広がり始めている。「関係者同士が腹を割って話し合える環境づくりこそ、再発防止への力になる」と検察側は確信し、15日には高松市内で児相や病院、警察関係者らも交え、虐待の背景を話し合う初のパネルディスカッションを開く。検察が他の機関に呼びかけてこうした会合を開くのは、極めて異例という。

 

◇背景探る初の討論会 15日

厚生労働省によると、全国の児相に寄せられた虐待に関する相談は2013年度に約7万3000件と増加の一途。県内でも同年度は551件で、増加傾向にある。

この傾向を受け、地検は従来の処罰だけでなく、再発防止にも取り組もうと昨年12月から児相や学校、保護観察所との間で、虐待の背景や親の立ち直りの可能性について意見交換を重ねた上で、起訴や不起訴を判断している。上級庁の高検は4月、この取り組みをまとめて全国的な導入を最高検に提言。今月4日には、大野恒太郎検事総長が高松市を訪れて取り組みを視察した。

検察側は児相や学校だけでなく、病院や保護観察所などにも積極的に門戸を開放していきたい考えだ。15日のパネルディスカッションでは、NPO法人「児童虐待防止協会」(大阪市)の司会で地検と県警幹部、児相「県子ども女性相談センター」(高松市)、国立病院機構「四国こどもとおとなの医療センター」(善通寺市)の職員らが、虐待防止と各機関の連携について考えを述べ合う。議論の様子はテレビ会議システムを通じ、全国の検察にも配信されるといい、高検の酒井邦彦検事長は「虐待をなくすには何が必要なのか、より多くの機関を巻き込んで話し合う第一歩にしたい」と期待を込めた。

パネルディスカッションの一般傍聴は、不可。

児童虐待を巡っては、以前から関係機関の連携不足が指摘されてきた。全国の各市町村では、学校や警察、病院などでつくる「要保護児童対策地域協議会(要対協)」が、個別の虐待事案について話し合うなど連携を進めているが、最近まで検察が参加することはなかった。

県子ども女性相談センターによると、児相と保護観察所は、虐待事件で保護観察付きの執行猶予判決を受けた保護者らを指導する慣例になっているが、情報を共有することはほとんどなかったという。保護観察期間が始まって半年近く、互いが指導していることすら知らないこともあったといい、同センターの増本一浩次長は「面談の機会も分散させる方が良いのに、双方が連日面談することもあった。様々な機会を捉えて、検察と同様に信頼関係を深めていけたら」と力を込めた。

関西学院大の才村純教授(児童虐待論)の話

「児相は職員の手が足りず、継続的な指導が十分に行えていない。連携が進んで生活態度の指導は保護観察所、専門的な指導は児相といった役割分担ができれば、より効果的な指導と支援が期待できる」

 

 

◆平成27(2015)年6月13日 北海道新聞 朝刊地方

  防げ児童虐待 地域協力員増 札幌市 当初の7.4倍に 通報も増 児相 登録呼びかけ

 

児童虐待の通報に協力する札幌市の「オレンジリボン地域協力員」が年々増えている。児童虐待に対する社会的な関心の高まりもあり、現在は導入当初の7・4倍。児童虐待の通報件数も増加しており、市児童相談所(児相)は市内のコンビニエンスストアに協力員募集のチラシなどを置き、協力員のさらなる増員に取り組んでいる。

地域協力員は市独自の制度。児童虐待が疑われる事例に気付いたり、子どもの異変を感じたりした際、市児相に通報する。児童虐待の定義や現状、通報制度についての研修を受けた18歳以上の市民が登録できる。

市児相によると、制度がスタートした2000年度の登録は1845人だったが、今年6月1日時点では民生委員や保育士、教職員、一般市民ら1万3728人。協力員の増加とともに、市児相への児童虐待の通報は増えており、14年度は過去最高の1256件。このうち近隣や知人からの通報は4割を占めた。市児相は、通報のうち地域協力員による件数を把握していないが、「地域協力員の増加が通報増につながっている可能性が大きい」とみている。

さらに登録者を増やそうと、市児相は今月上旬から、市内のコンビニ約千店に、協力員募集のチラシやカードを置き、来店客に研修受講と協力員登録を呼びかけている。市児相は「子どもを虐待から守るため、力を貸してほしい」と協力を求めている。問い合わせは市児相(電)622・8620へ。

 

 

◆平成27(2015)年6月13日 毎日新聞 地方版

県虐待相談:5年連続最多 昨年度3188件、初期段階の連携要因 /愛知

 

県は、昨年度に県内10カ所の児童相談所(名古屋市を除く)に寄せられた虐待相談件数は3188件で、5年連続で過去最多だったと発表した。前年度から36%増加しており、要因について「関係機関の連携が初期段階での相談につながった」と分析している。

県児童家庭課によると、虐待の内容別では、子供の前でドメスティックバイオレンス(DV)をしたり、子供に暴言をはいたりして心理的外傷を与える「心理的虐待」が1298件(40・7%)で最多。暴行を加える「身体的虐待」が1077件(33・8%)、育児放棄などの「ネグレクト」が748件(23・5%)と続いた。警察からの通報が増え、心理的虐待が初めて身体的虐待を上回った。

安全確保のための一時保護件数は、前年度より151件増えて834件(26・2%)となったが、在宅での指導・支援が増加したため、割合としては前年度を2・9%下回った。

一方、名古屋市も、市内2カ所の児童相談所に寄せられた昨年度の虐待相談件数が過去最多の1969件となったと発表した。前年度から22・1%増え、市は「児童虐待への関心が高まり、早期の発見、対応につながっているのでは」と分析する。

最も多いのは「心理的虐待」が943件で、全体の47・9%を占めた。ネグレクトは506件(25・7%)、身体的虐待は498件(25・3%)だった。

虐待された児童の一時保護は前年度比21件減の531件となったが、延べ日数は830日増えて1万8799日となった。市によると、家庭事情の複雑化などで、対応が長期化するケースもあるという。

迅速な保護を目指し、同市では今年度から、児童相談所に専従の弁護士1人を配置。来年度の採用に向け、1人を追加募集している。虐待が疑われる児童を一時保護する際、保護者らから「しつけだ」と抗議されるケースもあるためで、弁護士は、保護が法的根拠に基づくことなどを説明する業務を担う。

 

 

◆平成27(2015)年6月13日 日本経済新聞 電子版

多忙な教員、職員が支援 文科省検討 授業に専念

 

文部科学省は多忙化する小中高校の教員が教育に専念できるよう、事務職員や専門スタッフを活用する「チーム学校」の体制整備を進める。スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)など心理や福祉の専門家の配置を拡充したり、部活動支援員(仮称)を導入したりすることを目指し、法整備や財源確保を検討する。

近年は子供のいじめや不登校、貧困など学校が抱える課題が多様化し、教員個人で対応することが難しくなっていると指摘されている。

チーム学校のあり方を議論している中央教育審議会の作業部会による中間まとめの骨子案は、校長のリーダーシップの下、教職員や様々な専門スタッフが役割を分担することで、教員が授業など子供の指導に専念できると指摘。現在は国の補助事業として非常勤で派遣されることが多いSC・SSWについて、人員の確保や職務内容の明確化を求めている。

経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本は教員の1週間当たりの勤務時間が参加国中で最も長い。部活の指導時間も長く、骨子案は、教員以外の人材を、部活の指導や引率などを行う部活動支援員として活用することの検討を求めている。

 

 

◆平成27(2015)年6月14日 日本経済新聞 電子版

18~19歳は「年長少年」 少年法改正時の保護策検討 自民特命委

 

選挙権年齢の引き下げに伴い、成人年齢などの引き下げを議論する自民党の特命委員会は、少年法の適用年齢を今の20歳未満から18歳未満に引き下げるのと同時に、18~19歳を「年長少年」として新たな保護策を設ける案を検討する。18~19歳に特別な規定を置くことで引き下げ慎重派に配慮する。民法上の成人年齢の引き下げとともに政府に法改正を提言する。

「年長少年」制度はドイツの例を参考にする。ドイツ少年裁判所法は、18歳以上21歳未満を年長少年とし、精神の成熟度などに応じて刑法と少年法のどちらを適用するかその都度決める。刑法を適用する場合も、通常に比べ刑期を軽くする規定もある。

特命委では年齢引き下げに積極的な意見が大半を占めるものの、党内には法相経験者の谷垣禎一幹事長ら慎重派も多い。18~19歳の保護策を導入する内容を提言としてまとめ、慎重派の理解も得たい考えだ。特命委の幹部は「引き下げに慎重な公明党の理解も得やすい」と話す。

少年法を改正する場合、法相の諮問機関である法制審議会の議論が必要になる。特命委は刑法、少年法のどちらを適用するかの基準や、成人に比べた減刑措置など具体的な制度設計には踏み込まず、法制審に委ねる。ただ上川陽子法相は年齢引き下げに慎重な姿勢をとっている。

民法上の成人年齢については、引き下げが妥当とする提言をまとめる予定だ。法務省は早ければ秋の臨時国会にも民法改正案を提出する。法制審は民法上の成人年齢について「18歳に引き下げるのが適当だ」としつつ「具体的時期は国会の判断に委ねるのが相当」との答申をすでに出している。

未成年の飲酒や喫煙を禁じる法律など、成人年齢に関連する規定のある法律は200以上にのぼる。特命委はこれらについても民法と同時に引き下げるのが妥当かどうか方向性を出す方針だ。

今国会に提出された公職選挙法改正案には民法の成人年齢、少年法の適用年齢を念頭に「選挙の公正その他の観点から必要な法制上の措置を講ずる」と明記している。

 

 

「児童相談ニュースメール」(BCC一斉送信)

上貞玲賜(広島市安芸区保健福祉課)
◆平成27(2015)年6月11日 建設通信新聞

こども療育C建替 広島市、補正に基本計画費 児童相談所と合築

 

広島市は、老朽・狭あい化している児童相談所と、こども療育センター(東区光町2)を建て替える。現地建て替えで、既存施設同様に両施設の合築として整備する。6月補正予算案に基本計画策定費600万円を計上しており、議会承認後、業務委託し2015年度内にまとめる。16・17年度に基本・実施設計、18年度の着工を目指している。

基本計画策定の業務委託については、予算承認後、早急に手続きに入れるよう、参加資格の条件設定などの検討を進めている。一般競争入札での委託を考えている。

児童虐待防止対策の中心的役割を担う児童相談所は、施設の老朽・狭あい化による建て替えの必要性が指摘されている。また、同一敷地内にあるこども療育センターも同様の課題を抱えており、13年度から、付加すべき機能、施設規模、合築の適否、用地選定などの整備内容について調査・検討を開始し、昨年1月に整備内容に関する中間報告が示された。この中間報告に、決定した現地建て替え・合築方針を盛り込んだ新たな整備内容(基本構想)を来週中にも公表する方針だ。

施設に付加すべき機能については、児童相談所が相談・支援機能の充実、一時保護所入所児童の処遇改善、こども療育センターが相談・療育・訓練機能、発達障害者支援センター、地域の療育支援機能、保護者支援機能の充実を挙げている。

これらの機能を踏まえた施設規模は、児童相談所(相談・判定部門、一時保護所)が延べ約3000㎡、こども療育センター(療育相談所、児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設)が延べ約1万3000㎡を想定。総延べ床面積は現行の9678㎡から約1万6000㎡に拡大される見通し。現在地の敷地面積は9682㎡。また、合築施設のほか屋外施設として屋外運動場・園庭約3000㎡、駐車場・駐輪場約2000㎡の整備も計画されている。18年度から工事着手し、21年度の完成を予定している。

 

 

◆平成27(2015)年6月12日 読売新聞 東京朝刊

妊産婦へ子育てセット ベビー服など行政が配布 継続支援のきっかけに

 

出産前後の女性に、自治体がベビー服などのセットを贈る取り組みが広がり始めた。フィンランドの子育て支援の仕組みを参考にしたという。プレゼントの受け渡しを通して母親が保健師などと話す機会を作り、子育てを支援していく。

千葉県浦安市の主婦藤井ひと美さん(28)は、昨年6月に長女を出産。同市から「こんにちはあかちゃんギフト」をもらった。ベビー服やおむつ入れ、母親用のバッグのセットだ。「出産を祝福され、子育てを応援されている気持ちになって、子育てに優しい街だと感じました」

同市は昨年度からスタートさせた「子育てケアプラン」制度の一環でギフトを配布している。妊娠中、出産前後、子どもが1歳になる頃の計3回、保健師らが母親と面談し、そのつど子育て方針を書き込んだケアプランを作成する。出産前後のプラン作成時に、2万円相当のベビー用品などのセットと、子どもの一時預かりや母親のマッサージに使える5000円分の金券を配布。1歳前後のプラン作成時には1万円分の金券を贈る。「ギフトを用意することで、母親がケアプランを作ることにつなげ、継続的な子育て支援を行っていきたい」と同市。

この取り組みは、フィンランドの子育て支援を参考に始められた。同国では「ネウボラ」(フィンランド語で助言の場)という子育て支援拠点があり、妊娠中から子どもの就学までを切れ目なく支援する。妊婦がネウボラに行くきっかけになるよう、妊婦健診を受診すると布団やベビー用品などの「育児パッケージ」か、現金140ユーロ(約2万円)を支給する。

育児パッケージは、親と子育て支援者との関係をつくるという点が、出産祝い金の支給などとは異なる。市町村の導入を後押しする都県も出てきた。

東京都は今年度、育児パッケージを支給する区市町村に、1件当たり1万円を上限に費用を補助する事業を始める。出産前に保健師などの専門家が妊婦と話す機会を設け、困った時に相談できる窓口の存在を知ってもらう。保健師などを新しく雇用する際の人件費も補助する。面談で家庭環境や経済状況により育児が困難そうだとわかった場合、早期に支援を始めることを目指す。

兵庫県は今年1月から12月までに赤ちゃんが生まれた家庭に、カタログギフトを贈る事業を行う。市町の保健師らが生後4か月までの赤ちゃんのいる全家庭を訪問する際などに、第1子と第2子には1万円相当、第3子以降には3万円相当分のカタログギフトをプレゼントする。保健師が訪問しても面談に応じない家庭もあるため、ギフトによって会いやすくなることを期待している。

吉備国際大教授(社会福祉)の高橋睦子さんは、「育児パッケージは専門家と親をつなぐきっかけ。保健師などの人材を確保し、妊娠中から就学まで切れ目なく育児を支援する体制を整えることが重要だ」と話している。

 

 

◆平成27(2015)年6月12日 毎日新聞 地方版

育児休業後の復職支援:子どもは元の保育園 所沢市、「特別預かり」導入へ /埼玉

 

育児休業を取得した親が復職するため、上の子どもを元々預けていた保育園に改めて預けようとしたものの、満杯で受け入れてもらえない――。所沢市は11日、民間(私立)保育園の利用者がこうしたケースに陥らないよう、「特別預かり事業」制度を導入すると発表した。全国でも珍しい取り組みという。

今年度から始まった子ども・子育て支援制度を受け、所沢市は待機児童ができるだけ多く保育園に入園できるよう、育児休業を取得する親の0~2歳の子はいったん退園してもらう「育休退園」を進めている。しかし、市内の母親らから「いったん退園した後、同じ保育園に入れられる保証がないのなら育児休業を取れない」との意見があり、同市が退園した子どもが確実に同じ保育園に戻れる仕組みを検討していた。

同市は今回の新制度を導入するため、6月定例議会で市内の保育園に交付する補助金として238万円を計上。保育士増員の人件費に充てるなどして通常の保育枠とは異なる特別枠を設け、育児休業明けの親が子どもを再び同じ園に預けたい場合の要望に応える。今回の予算は四つの保育園が各1人の特別枠を受け入れる想定の額。来年度以降はさらに特別枠を広げ、約900万円の事業費を見込んでいる。

同市には現在、民間保育園が39ある。これまでも同市の担当課や各施設長の判断で退園時期の延期や保育継続を弾力的に運用してきたが、今後は新制度でより安心して育児休業を取得できるようになる。

同市こども未来部の本田静香部長は「待機児童を持つ保護者との公平性を維持するため、育児休業を取る人は原則として0~2歳の保育園児をいったん退園させて家で育ててほしい」としたうえで「新制度を活用し、安心して育児休業を取得してほしい」と話している。

 

 

◆平成27(2015)年6月12日 毎日新聞 西部朝刊

待機児童:ゼロ難航 九州・山口主要12市、うち9市で1645人 新制度で増加→受け皿追いつかず

 

認可保育所などに入所できない待機児童が、九州・沖縄・山口の主要12市のうち9市で計1645人(4月1日時点)に上ることが、毎日新聞の取材で分かった。4月に始まった「子ども・子育て支援新制度」のスタートに合わせ、各自治体が待機児童の解消を目指してきたが、出だしからつまずいた格好だ。新制度で入所対象者が増えた一方、受け皿整備が追いついていないことが背景にある。

九州・沖縄・山口9県の政令市、県庁所在市、中核市の12市に聞いたところ、待機児童が最も多かったのは那覇市の534人で、大分市484人、熊本市397人が続いた。待機ゼロは北九州、宮崎、下関の3市にとどまった。

新制度では、共働きや一人親に加え、求職活動中やパートタイムなどの短時間就労をしている親も認可保育所への入所を申し込めるようになった。これに対し、各自治体は予想される需要増に対応しつつ待機ゼロも目指すため、保育所を増改築するなどして定員を増やしてきた。ところが、12市合計の待機児童数は昨年4月1日時点の1019人から約1・6倍に増えた。待機児童の定義が変わったため単純比較はできないものの、待機ゼロの難しさを改めて浮き彫りにした。

大きな要因は自治体側が需要増を見誤ったことだ。大分市では、待機児童のうち4割超の221人が、新要件の「親が求職中」だった。市は1794人分の定員を増やしていたが、担当課は「新たに申し込む人が予想以上に多かった」と言う。那覇市や山口市、福岡県久留米市も同様に、新要件の対象者からの申し込みが多かったことを待機児童発生の理由に挙げ、那覇市は「入所希望者は今後も増加していく可能性がある」と指摘した。

職場復帰を目指す親からの申し込みも自治体の想定を上回った。新制度は、親が育児休業明けに当たる1歳児を中心に、0~2歳児を受け入れるための小規模保育施設を都市部で新たに認可した。待機児童を解消して職場復帰を支援する狙いだが、昨年待機ゼロの福岡市では61人の待機児童が出て、うち48人が1歳児だった。夫婦で美容室を経営する同市城南区の美容師の男性(35)は、1歳になった長男が今春、保育所にも小規模保育施設にも入れず、妻(32)は仕事に復帰できないでいる。男性は「売り上げも減少している。いつ入れるのか分からない」と訴える。

熊本市も待機児童の4割超(163人)を1歳児が占めた。市は保育所などに対し、3歳以上の定員を減らし、3歳未満児の定員を増やすよう求めることにしている。ただ預かる子どもの年齢が低くなるほど保育士の数を増やす必要があり、担当課は「保育士の確保が課題」という。佐賀市も「保育士不足」を課題に挙げており、施設増などハードの拡充だけでは待機ゼロを達成できないのが現状だ。

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□ことば  ◇子ども・子育て支援新制度

安倍政権は2017年度までに全国で新たに40万人の保育の受け皿を整備して待機児童の解消を目指している。そのために幼稚園と保育所の機能を併せ持った「認定こども園」を拡充するほか、0~2歳児を受け入れる定員19人以下の小規模保育施設を認可するなどして保育の定員枠を広げる。必要な費用には、消費税を10%に引き上げた増収分から年約7000億円を充てる。

 

 

◆平成27(2015)年6月12日 毎日新聞 地方版

待機児童:381人減の66人 広島市のみ 7年ぶり2桁に /広島

 

県内で認可保育所への入所を待つ「待機児童」が66人(4月1日現在)になり、昨年同時期より381人減少したことが、県働く女性応援課のまとめで分かった。2桁は2008年の47人以来7年ぶり。

待機児童の発生は広島市のみで、入園を申し込んだ児童2万4914人に対し、入園児童数は2万4376人だった。安佐南区が31人と待機児童数のほぼ半数を占め、中区の18人が続いた。

今年4月時点での待機児童解消を目指していた広島市は、昨年度、保育所など20施設を新設。さらに昨年11月には保護者に入園可能な施設を紹介する「保育サービスアドバイザー」を8人から14人に増員させるなど対策を行ってきた。今年度中に保育所3園を開園させるなど対策を進める考えで、市保育指導課は「保育園の配置などを十分に調査し、来年度は待機児童ゼロを目指したい」としている。

一方、県も待機児童の解消には保育士の充実が不可欠とみて、12年7月から、引退した保育士などを対象にした無料の職業紹介「県保育士人材バンク」を開始。昨年度末までに226人が就職し、実績を上げている。今月21日には福山市内で、28日には広島市内で保育士志望者向け説明会を開く予定で、さらに対策を進める考えだ。

 

 

「児童相談ニュースメール」(BCC一斉送信)

上貞玲賜(広島市安芸区保健福祉課)

無くそう子供の貧困ネットワーク➡︎http://end-childpoverty.jp/