月別アーカイブ: 2015年5月

無くそう子供の貧困 メーリングリストからのピックアップ記事67

◆国際労働機関(ILO)は2015年版の「世界の雇用・社会見通し」で、正規雇用と非正規雇用の賃金格差を是正すれば世界で3兆7千億ドル(約440兆円)の経済効果があるとの試算をまとめた。非正規雇用の拡大で賃金が抑制された結果、消費が抑制され投資も冷え込んだとし、各国に安定雇用の推進を求めている。 

◆栃木県の全25市町は2015年度中に、生活に困窮している家庭の小中学生を対象とした学習支援を始める。補習の必要があるものの、経済的理由で塾などに通えない子どもをサポート。勉強に対する意欲を持ってもらい高校進学に繋げるのが狙い。貧困家庭の学習支援を県全体で実施するのは、全国的にも珍しいという。

 

◆全国で年間10万人を超える高校の中退、不登校者が別の高校に移って「再挑戦」できるよう、東京都は本年度から、こうした若者らに直接働き掛けて再入学を促す試みを始めた。高校卒業資格は貧困に陥るのを防ぐ重要なカギとなり、学校を移れば卒業を果たせるケースは多い。積極的に相談に乗ることで孤立を防ぐ。

 

◆貧困家庭で暮らす子どもの生活や教育を支援するため、三重県は子どもの貧困対策を重点施策の一つに位置付け、「子どもの貧困対策計画」(仮称)を今年度に策定することを決めた。子どもの貧困の実態を把握するため、6月には児童相談所や福祉事務所に初めて聞き取り調査を行う方針で、本格的な対策に乗り出す。

 

◆妻が通勤に使う車の所有を理由に生活保護を停止したのは不当だとして、大津市の男性が停止決定の取消しと慰謝料30万円の支払いを市に求めて大津地裁に提訴した。男性は2009年から生活保護を受給していたが、4月に停止された。厚労省は、公共交通機関の利用が困難な場合などに認めると通知で規定している。

 

上貞玲賜(広島市安芸区保健福祉課)

ーーーーーーーーー

◆平成27(2015)年5月22日 時事通信 官庁速報

保育所立ち入りの自治体権限強化 事故防止で検証方法も策定 ―政府

 

政府は、保育所などの子育て施設で子どもが死亡したり後遺症が残ったりするような重大事故が起きていることを受けて、再発防止策の検討を進めている。自治体が速やかに施設への立ち入り調査が行えるように児童福祉法の要綱を改正して権限を強化したり、具体的な検証方法を定めたりする方針だ。

4月に施行された子ども・子育て支援新制度に関連して、内閣府、厚生労働省、文部科学省の3府省が施設の安全強化について議論。秋頃に結論を出し、早ければ今年度中にも新たな再発防止策を実施する。

改正する要綱は、児童福祉施設である認可保育所、保育所型認定こども園、幼保連携型認定こども園について、自治体の立ち入り調査の方式を定めている「児童福祉行政指導監査実施要綱」。現在の要綱は、自治体が全ての施設に対し年1回以上の実地調査を行うとともに、特別指導監査として「問題を有する施設を対象に、必要に応じ特定の事項について実施する」と定めている。強制的な調査はできないが、「特別な場合を除き(施設に対して)事前に通知する」と規定しているので、特別指導監査の場合は通告なしでの抜き打ち調査が可能だ。

しかし、特別指導監査が可能な状況が具体的に書かれていないため、重大事故が起こった施設に対しても、抜き打ち調査はできないと解釈する自治体もあるという。このため、厚労省は要綱を改正し、重大事故を起こした施設への立ち入り調査は特別指導監査に当たると要綱に明記する方針だ。認可外保育施設に対する立ち入り調査の方式を定めた「認可外保育施設指導監督基準」も同様に改正するという。

幼稚園と幼稚園型認定こども園については、学校教育法などで都道府県の指導監督権限を定めているが、具体的な実施要綱はない。地方裁量型認定こども園、小規模保育や家庭的保育などの地域型保育施設にも要綱はない。そこで政府は、これらの施設でも重大事故を起こした場合は抜き打ち調査ができるようにする考えだ。具体的には、(1)文科省が幼稚園と幼稚園型認定こども園向けの要綱、厚労省が地方裁量型認定こども園や地域型保育施設向けの要綱を作る(2)全ての施設で保育所向けの改正要綱に準じて調査するよう両省から通知を出す―などの手法を想定している。また、現在は施設での重大事故に関する検証や分析は義務付けられておらず、具体的な方法も定められていない。政府は、児童虐待による死亡事故への対応を参考に検証スキームを定めて自治体に通知する方針だ。

虐待死亡事故については児童虐待防止法で自治体と国に検証が義務付けられており、方法も通知で定められている。政府はこれに準じて、施設での重大事故に対しても、自治体による個別事故の検証、国による統計的な分析という2段階のスキームを作る考えだ。虐待死亡事故の場合、児童相談所が都道府県単位で設置されているため都道府県が検証している。施設での重大事故については、新制度施行に伴って施設の所管権限が市町村に大きく移譲されたため、今後、都道府県と市町村のどちらが検証すべきか議論する。

 

 

◆平成27(2015)年5月22日 読売新聞 東京朝刊

「待機児童ゼロ」ならず 札幌市 今年度、定員1000人増へ =北海道

◇定員割れ、入所待ちも

 

札幌市は21日、今年4月1日時点での認可保育所などの待機児童が、対前年同期比254人減の69人になったと発表した。市は今春でのゼロを目標にしていたが、達成できなかった。秋元克広市長は21日の定例記者会見で、今年度中に定員をさらに約1000人増やす方針を明らかにした上で、「来年4月でのゼロを目指す」と意欲を示した。

市は2011年度から始めた「第3次札幌新まちづくり計画」で、待機児童数を今春でゼロにする目標を設定した。同計画では解消策として、今春までに定員4000人の増加を掲げ、市は当初、計画に則して施設整備などを進めてきた。しかし、「受け入れ枠の増加により、新たな希望者を掘り起こした」(市子育て支援部)こともあり、申込者が想定を上回って推移してきた。このため、市は13年度から、計画を上回る定数増を目指し、これまで1460人分を計画より上積みした。今年度も当初予算で、616人分を増やすための費用を盛り込んだ。

秋元市長は4月の市長選の公約で「待機児童ゼロ」を掲げており、6月の定例市議会に提出する補正予算案では、「さらに300人程度を増やすための予算を計上する」とした。一方で、今年4月1日時点の定員数は2万5198人と、5年前から7248人も急増させたことで、新たな課題が生まれた。昨年4月1日時点で、68施設で計約630人の定員割れが生じた。同10月1日時点では、43施設の計約390人と縮小された。また、待機児童数には含まれないが、特定の保育所などを希望して入所待ち状態の児童は、592人に上っている。

市は「定員割れは秋にはだいたい埋まる見込みだが、地域特性などを考慮して、今後の施設整備を進めていきたい」としている。

 

 

◆平成27(2015)年5月23日 岐阜新聞

児童虐待対応996件 昨年度、岐阜県子どもセンター

 

岐阜県内5カ所の県子ども相談センターが昨年度に通報や相談を受けて対応した児童虐待は996件(前年度比27・9%増)で、集計を始めた1990年度以降、最多となった。

子どもへの暴言や子どもの前でドメスティックバイオレンス(DV)を見せるといった心理的虐待が大幅に増えており、県子ども家庭課は「暴言やDVも虐待に当たるという認識が広まったのではないか」と増加の要因を分析している。

内訳は、心理的虐待が417件で最も多く、次いで殴るなどの身体的虐待が298件。育児放棄といった保護の怠慢・拒否が258件、性的虐待が23件と続いた。小学生への虐待は374件と最も多く、0歳から小学生までが全体の75・4%を占めた。実母からの虐待が576件と最多。在宅での面接指導が前年度から232件増の877件だったのに対し、一時保護は84件とほぼ横ばいだった。

警察がDVの事案を積極的に通報していることもあり、警察からの連絡は前年度の116件から211件と大幅に増えた。県内の各市町村が対応した昨年度の児童虐待は616件で、過去最多の前年度から172件減った。

同課は「初期段階での相談が増えている。これからも早めに相談してほしい」と話している。

 

 

◆平成27(2015)年5月23日 毎日新聞 東京夕刊

スマホ:学校持ち込み禁止→成績向上 英13万人調査、低学力生徒は14%向上

 

【ロンドン共同】スマートフォンなど携帯電話を学校に持ち込むことを禁じると、成績が低い生徒の学力が大きく向上するとの調査結果を英ロンドン大経済政治学院(LSE)の研究チームが22日までにまとめた。「持ち込み禁止は学力格差を縮めるのに有効だ」と結論づけている。

低年齢層への携帯電話普及が進む日本など先進各国では学業への影響が問題となっており、議論に一石を投じそうだ。

研究チームはロンドンなど国内4都市で16歳の生徒約13万人を対象に、義務教育修了時の全国統一試験の成績を分析した。学力別に5グループに分類し、学校への携帯電話の持ち込み禁止導入前後で比較したところ、最も学力が低い生徒のグループでは持ち込み禁止により、成績の伸びを測る指標が14・23%向上した。これは授業を毎週1時間、余分に受けた効果に相当する。5グループ平均の上昇率は6・41%だった。高学力グループでは持ち込み禁止後も成績に大きな差はなく「学力が低い生徒は携帯電話により集中力を乱されやすい」と分析している。

英国では13歳以上の9割超が携帯電話を所持しているとされる。日本の文部科学省は2009年、小中学校への携帯電話の持ち込みを禁じるよう通知。逆に米ニューヨーク市は今春、長年続いた持ち込み禁止を解除し、対応が割れている。

 

 

◆平成27(2015)年5月23日 毎日新聞 北九州版

待機児童:北九州市、5年連続ゼロ 「未入所児童」は増加 /福岡

 

今年4月1日の北九州市の待機児童数が、5年連続のゼロだったことが22日、わかった。一方、「特定の保育所を希望している」などの理由で、入所申し込みをしたものの入所していない「未入所児童」は504人で、昨年同期より25人増加した。

市は、認可保育所の新設や増改築、0~2歳児向けの小規模保育を整備するなどして、昨年4月より、600人ほど定員を増加させた。一方で、4月1日時点の入所申込数も、昨年同期より321人増え、1万6741人だった。

厚生労働省の定義によると、待機児童に含まれない未入所児童は、通常の交通手段で自宅から20~30分未満で登園可能な保育所などがあるにもかかわらず、「特定の保育所を希望し、保護者の私的な理由により待機している」と考えられている。

うち90人の未入所児童がいた小倉北区の担当者によると、未入所児童のうちの大多数は、入所選考で優先順位が低い「求職」を理由とした入所申し込みで、3歳児未満が多いという。また、子育て世帯が多い新興住宅地なのに保育所が少なかったり、園の設備や職員対応を気に入り、特定の園を希望したりするなどの要因が複合的に重なり、結果的に入所にいたらない未入所児童が生じたという。

 

 

「児童相談ニュースメール」(BCC一斉送信)

上貞玲賜(広島市安芸区保健福祉課)
無くそう子供の貧困ネットワーク➡︎http://end-childpoverty.jp/